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産み分けカレンダーは本当に当たる?

「母親の年齢と受胎月を当てはめると、赤ちゃんが男の子か女の子か分かる」とされる産み分けカレンダー。中国式やブラジル式などさまざまな方法が紹介されていますが、本当に性別を予測できるのでしょうか。この記事では、中国式産み分けカレンダーを約284万件の出生データで検証した研究や、受胎した季節と出生男女比に関する研究をもとに、産み分けカレンダーの的中率と医学的根拠について分かりやすく解説します。

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中国式・ブラジル式カレンダーの的中率を医学的に検証

「母親の年齢と受胎月で、男の子か女の子か分かる」とされる産み分けカレンダーは、インターネットやSNSで広く紹介されています。

なかでも有名なのが「中国式産み分けカレンダー」です。母親の年齢と赤ちゃんを受胎したとされる月を表に当てはめ、男の子または女の子を予測します。

しかし、結論からいうと、産み分けカレンダーによって赤ちゃんの性別を医学的に正確に予測したり、希望する性別の赤ちゃんを産み分けたりできることを裏づける十分な医学的根拠はありません。

中国式産み分けカレンダーとは?

中国式産み分けカレンダーでは、一般に母親の年齢と受胎したとされる月を組み合わせて、赤ちゃんの性別を予測します。

インターネット上では、母親の満年齢ではなく旧暦上の年齢を使用したり、受胎月についても旧暦に換算したりする方法が紹介されています。

使用する表や計算方法によって、同じ年齢や受胎時期でも予測結果が異なる場合があります。

一方、医学的な検査として、このような年齢と受胎月の組み合わせから胎児の性別を判定する方法が確立されているわけではありません。

約284万件を調べた大規模研究

中国式産み分けカレンダーについては、実際の出生データを使って予測精度を検証した大規模研究があります。

2010年に『Paediatric and Perinatal Epidemiology』に発表された研究では、スウェーデンで1973年から2006年までに生まれた2,840,755件の単胎出生が分析されました。

研究者は、それぞれについて母親の旧暦上の年齢と推定受胎月を算出し、中国式カレンダーによる予測と実際に生まれた赤ちゃんの性別を比較しました。

その結果、実際の性別とカレンダーによる予測の一致度を示すカッパ係数は0.0002でした。

95%信頼区間は-0.0009から0.0014で、偶然を超える実質的な一致は認められませんでした。

研究者は、中国式産み分けカレンダーによる性別予測は、コインを投げて予測する場合より優れていないと結論づけています。

母親の年齢などを考慮しても精度は改善しなかった

同じ研究では、中国式カレンダーの予測精度が、条件によって変化するかについても検討されています。

妊娠した年、母親の年齢、学歴、BMI、出産歴などについて分析されましたが、これらによって予測精度が改善することは確認されませんでした。

さらに、1,000件の出生を対象として、ウェブサイト上の計算方法を使って旧暦の日付を算出した追加検証も行われました。

この分析でもカッパ係数は-0.02で、中国式カレンダーに実用的な性別予測能力があることは示されませんでした。

「当たった」という体験談は医学的な証明になる?

産み分けカレンダーについては、「自分は当たった」「家族全員当たった」という体験談が紹介されることがあります。

しかし、個人の体験だけでは、その方法に性別を予測する能力があることを証明することはできません。

男児と女児の出生割合は完全な50対50ではありませんが、カレンダーによる予測は基本的に男児または女児という二者択一です。

そのため、実際には予測能力のない方法であっても、一定数は偶然実際の性別と一致します。

医学的な予測方法として有効かどうかを判断するには、多数の出生について事前の予測と実際の結果を比較する必要があります。

中国式カレンダーについては、そのような大規模検証が行われた結果、実用的な予測能力は確認されませんでした。

ブラジル式産み分けカレンダーなら当たる?

インターネット上では、中国式とは別に「ブラジル式産み分けカレンダー」と呼ばれる方法も紹介されています。

ブラジル式として紹介される表にも、母親の年齢や受胎月などをもとに男児・女児を予測するものがあります。

ただし、ブラジル式については、統一された医学的な判定方法として確立されているわけではありません。

また、今回確認した医学文献の範囲では、中国式カレンダーの研究のように数百万件規模の出生データを用いて予測精度を検証した代表的な研究は確認できませんでした。

したがって、ブラジル式カレンダーであれば中国式より正確に赤ちゃんの性別を予測できる、または希望する性別を選べると判断できる医学的根拠は確認されていません。

受胎した季節によって男女比は変わる?

産み分けカレンダーとは別に、受胎した季節や出生した季節と、出生時の男女比との関係を調べた研究はあります。

2014年に発表された中国の研究では、2006年から2008年までに集められた3,175組の子どもと両親のデータをもとに、母親が妊娠した季節と出生児の性別との関係が調べられました。

解析では、両親の年齢、地域、民族、母親の学歴、流産歴などを調整したうえで、春に妊娠した女性と比較すると、夏または冬に妊娠した女性で女児を出産する割合が高いという統計的な関連が報告されています。

ただし、これは特定の集団を対象とした観察研究です。

この結果だけから、「夏や冬に妊娠すれば女の子になる」と個人レベルで予測することはできません。

季節による男女比の研究結果は一貫している?

出生男女比の季節変動については、世界各地で研究が行われています。

2015年に発表されたレビューでは、出生男女比と季節との関係を調べた複数の研究が整理されています。

季節的な変動が報告された研究はあるものの、そのパターンや関連する要因は研究によって異なります。

出生男女比には、地域、環境ストレス、気温、栄養状態、社会的要因など、さまざまな要素が関係する可能性が研究されています。

したがって、現時点では「何月に妊娠すれば男児」「何月なら女児」という形で、個人の産み分けに利用できる法則が確立されているわけではありません。

季節の研究と産み分けカレンダーは別のもの

集団全体を調べた研究で、特定の季節に男児または女児の割合がわずかに変化したとしても、それは産み分けカレンダーの正確性を証明するものではありません。

出生男女比の研究では、何千人、何万人という集団全体で割合を比較します。

一方、産み分けカレンダーは、特定の母親について年齢と受胎月から「男の子」「女の子」と個人単位で予測します。

この二つは異なる考え方です。

中国式カレンダーについては、約284万件の出生データを使って個人レベルの予測能力が検証されましたが、偶然を超える予測能力は確認されませんでした。

カレンダーを理由に妊娠時期を決められる?

現在の研究からは、産み分けカレンダーを根拠として妊娠する月を選ぶことで、希望する性別になる確率を高められるとはいえません。

また、妊娠の成立しやすさは、女性の年齢、排卵、卵巣機能、精液所見など多くの要因によって変化します。

産み分けカレンダーによる性別予測能力が確認されていない以上、「希望する性別と表示される月まで妊娠を待てば産み分けができる」という医学的根拠もありません。

特に妊娠しにくさが心配される場合には、妊娠時期について医師に相談することが重要です。

産み分けカレンダーで性別を選べることは確認されていない

現在確認されている医学研究からは、中国式産み分けカレンダーによって赤ちゃんの性別を実用的な精度で予測できることは示されていません。

約284万件の出生を使った大規模研究でも、その予測能力は偶然による予測と変わらないという結果でした。

ブラジル式についても、希望する性別を正確に予測したり産み分けたりできることを裏づける十分な医学的根拠は確認されていません。

また、季節や受胎月と出生男女比との関連を報告した研究はありますが、研究結果は一貫しておらず、個人が妊娠する月を選ぶことで希望する性別になる確率を実用的に高められることは確認されていません。

現在の医学から最も慎重にいえるのは、母親の年齢や受胎月を組み合わせた産み分けカレンダーによって、自然妊娠で赤ちゃんの性別を実用的に予測・選択できることは確認されていないということです。

最終的な医学的判断については、医師などの専門家にご相談ください。

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