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男女産み分けでも単一胚移植が基本

男女産み分けを目的とした体外受精でも、一度に一つの胚を子宮に戻す「単一胚移植」が基本です。複数の胚を同時に移植すると、双子などの多胎妊娠による早産や低出生体重などのリスクが高まります。本記事では、単一胚移植が推奨される医学的な理由や、PGT-Aで正倍数性と判定された胚の移植、凍結保存した胚の扱いについて、国内外の医学会の指針を基に分かりやすく解説します。

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母体と赤ちゃんの安全を守るために

男女産み分けを目的とした体外受精でも、一度に一つの胚を子宮に戻す「単一胚移植」が基本です。これは、双子などの多胎妊娠による母体と赤ちゃんへのリスクを減らすためです。

希望する性別の胚が複数ある場合も、胚の発育状況や検査結果を確認しながら、一つずつ移植することが推奨されます。

不妊治療では、妊娠の成立だけでなく、母体の健康を守り、安全な出産につなげることが重要です。

単一胚移植が推奨される理由

単一胚移植とは、一回の移植で一つの胚を子宮に戻す方法です。

二つ以上の胚を移植すると、双子などの多胎妊娠になる可能性が高まります。多胎妊娠では、単胎妊娠と比較して、早産や低出生体重、妊娠高血圧症候群などのリスクが高くなります。

欧州生殖医学会(ESHRE)が2024年に公表した指針では、多胎妊娠による母子への影響を踏まえ、単一胚移植を優先する方針が示されています。

移植する胚の数は、妊娠率だけでなく、妊娠から出産までの安全性を考慮して判断する必要があります。

正倍数性胚は原則として一つずつ移植する

PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)で正倍数性と判定された胚について、米国生殖医学会(ASRM)と米国生殖補助医療学会(SART)は2021年の指針で、年齢にかかわらず一つの胚を移植することを推奨しています。

正倍数性胚とは、検査した細胞で染色体数に明らかな過不足が認められなかった胚です。ただし、正倍数性という結果が妊娠や出生を保証するわけではありません。

希望する性別の正倍数性胚が複数ある場合には、胚の形態評価や発育日などを確認し、担当医と移植順位を相談します。

使用しなかった胚は、施設の基準に従って凍結保存し、次回以降の治療に備えることができます。

一つの胚でも双子になる可能性がある

単一胚移植を行っても、多胎妊娠の可能性が完全になくなるわけではありません。一つの胚が発育途中で分かれ、一卵性双胎になる場合があるためです。

ただし、複数の胚を同時に移植する場合と比較すると、多胎妊娠のリスクを大幅に減らすことができます。

妊娠成立後は、超音波検査などで胎嚢や胎児の数を確認し、妊娠経過に応じた管理を行います。

過去に移植が不成功だった場合の考え方

過去の胚移植がうまくいかなかった場合でも、次に複数の胚を移植することが適切とは限りません。

まずは移植した胚の状態、子宮内の環境、ホルモン投与の時期などを確認し、治療方針を見直す必要があるか検討します。

ASRMの2021年指針では、良好な条件の胚を複数回移植しても妊娠に至らなかった場合などに、個別の状況を踏まえて移植数の変更を検討する余地が示されています。ただし、正倍数性胚については単一胚移植を推奨しています。

ESHREの2024年指針でも、年齢や過去の不成功など、一つの条件だけを理由に二個移植を勧めることは支持されていません。

複数胚移植を提案された場合には、その医学的な理由と多胎妊娠のリスクについて、十分な説明を受けることが重要です。

凍結保存した胚は次の治療に利用できる

単一胚移植では、今回使用しなかった胚を凍結保存し、次の治療で利用できる場合があります。

複数の胚が得られた場合には、一つずつ移植したときの累積生児獲得率も判断材料になります。これは、複数回の移植を通じて、最終的に子どもの出生に至る割合を示すものです。

一度に複数の胚を移植する場合と、一つずつ移植する場合では、多胎率や治療期間、費用などが異なります。

保存胚の保管期限や更新費用、将来の使用条件についても確認しておくことが大切です。

男女産み分けでも安全性を優先した移植計画を

希望する性別の胚が複数ある場合でも、性別への希望を理由に移植数を増やすことは推奨されません。

なお、日本のPGT-A・PGT-SRは、一般的な男女産み分けを目的とした制度ではありません。海外でも、医学的な理由によらない性別選択の可否は、国や地域、施設によって異なります。

移植前には、使用する胚の選択理由、期待される治療成績、保存胚の扱いなどを確認し、担当医と十分に相談することが重要です。

男女産み分けを希望する場合も、母体と赤ちゃんの安全を守るという医療の基本は変わりません。妊娠の成立だけでなく、出産までを見据えた移植計画を立てることが大切です。

※本記事は、生殖医療に関する一般的な情報を提供するものであり、個別の胚移植数や妊娠・出生を保証するものではありません。実際の治療については担当医の説明を受け、医学的な安全性を踏まえて判断してください。

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