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PGTの結果報告書には何が書かれている?

PGT(着床前遺伝学的検査)の結果報告書には、胚番号や「正倍数性」「異数性」「モザイク」など、初めて目にする専門用語が記載されることがあります。海外で男女産み分けに関する検査を受けた場合には、性染色体の情報が含まれることもあります。本記事では、PGTの結果報告書に記載される主な項目や、それぞれの意味、結果を読み解く際の注意点について、国内外の医学会の公表資料を基に分かりやすく解説します。

PGT結果報告書の読み方解説.png

確認したい項目と読み方

PGT(着床前遺伝学的検査)の結果報告書には、胚番号や染色体の検査結果など、普段あまり目にしない専門用語が記載されることがあります。

男女産み分けを目的として海外で検査を受けた場合には、性染色体に関する情報が示されることもあります。ただし、報告書の一つの項目だけで、胚の状態や妊娠の可能性を判断できるわけではありません。

この記事では、PGTの結果報告書に記載される主な情報と、結果を理解するために知っておきたいポイントを解説します。

最初にPGTの種類を確認する

PGTには、染色体の数を調べるPGT-A、特定の遺伝性疾患を対象とするPGT-M、染色体の構造的な変化に関連するPGT-SRがあります。

それぞれ検査の目的や対象が異なるため、どの検査を受けたのかを知ることが重要です。

報告書には、検査機関名、検査方法、報告日などが記載される場合があります。PGT-Aでは、NGS(次世代シーケンシング)などの技術が使われますが、検査方法によって調べられる範囲や結果の分類基準が異なります。

また、良好な検査結果であっても、すべての染色体疾患や遺伝性疾患がないことを保証するものではありません。

胚番号と検査結果はどのように対応している?

PGTでは、検査した細胞がどの胚から採取されたものかを、正確に管理する必要があります。

そのため、胚番号や検体番号、検査機関の受付番号などが用いられます。

胚盤胞になった日や形態評価、凍結日などは、別の培養記録に記載される場合もあります。

結果説明では、胚番号と検査結果、培養記録がどのように対応しているかを確認できることが重要です。

正倍数性・異数性・モザイクとは?

PGT-Aでは、検査結果が「正倍数性」「異数性」「モザイク」などに分類される場合があります。

正倍数性とは、検査した細胞で、染色体の数に明らかな過不足が認められなかったという結果です。

異数性とは、特定の染色体の数が通常より多い、または少ない可能性を示す結果です。

モザイクとは、染色体の構成が異なる細胞が混在している可能性を示す結果です。

ただし、PGT-Aは胚の一部の細胞を調べる検査であり、胚全体の染色体の状態を確定するものではありません。

米国生殖医学会(ASRM)の2024年の委員会意見でも、PGT-Aの結果には解釈上の限界があることが示されています。

モザイクの判定基準は検査機関によって異なる

モザイクと報告される結果については、検査機関ごとの判定基準の違いに注意が必要です。

ASRMの2023年の委員会意見では、モザイクの判定には検査方法や解析基準、検査機関の報告方針などが関係すると説明されています。

また、報告書にモザイクの割合が示されていても、その数値が胚全体に含まれる異なる染色体構成の細胞の正確な割合を表すとは限りません。

そのため、別の検査機関の結果と単純に比較できない場合があります。

判定不能と表示された場合

PGTでは、検査に必要な情報が十分に得られず、「判定不能」や「No result」と表示されることがあります。

これは、検体の状態やDNAの解析などに関係する結果です。判定不能というだけで、胚の状態が悪いと決まるわけではありません。

施設によっては再解析や再生検が検討される場合もありますが、必ず実施されるものではありません。

結果の意味や追加検査の必要性については、担当医療機関から説明を受けることが大切です。

性染色体に関する情報の扱い

PGT-Aでは、検査方法によって性染色体に関する情報が得られる場合があります。

ただし、検査で性染色体の情報が得られることと、患者に開示できること、性別選択に利用できることは別の問題です。

日本産科婦人科学会の2025年9月改定のPGT-A細則では、性染色体の解析結果は原則として患者に開示しないとされています。性染色体に異常が認められた場合には、遺伝カウンセリングなどを通じて必要な情報が説明されることがあります。

また、日本のPGT-A・PGT-SRは、一般的な男女産み分けを目的とした制度ではありません。

海外でも性染色体情報の開示や性別選択の可否は、国や地域、医療施設の方針によって異なります。

PGT結果だけで移植する胚は決まらない

PGTの結果は、移植を検討する際の重要な情報の一つです。

実際には、胚の発育状況、形態評価、PGT結果、本人の治療歴など、複数の条件が関係します。

良好なPGT結果が得られても、妊娠や出生が保証されるわけではありません。

結果の意味や検査で分からないことについても、担当医や遺伝医療の専門家から説明を受けることが重要です。

結果報告書を正しく理解するために

PGTの結果報告書は、検査した胚について得られた遺伝学的な情報をまとめたものです。

胚番号、検査の種類、結果の分類、検査方法などを確認することで、どのような情報が得られたのかを整理できます。

報告書に記載された情報を正しく理解するためには、検査の目的や限界について説明を受けることが大切です。

※本記事は、国内外の医学会および専門機関が公表した資料を基に、PGTの検査結果に関する一般的な情報をまとめたものです。医師による監修を受けた記事ではなく、特定の治療方法や医療行為を推奨するものではありません。個別の検査結果や治療方針については、担当医や遺伝医療の専門家にご相談ください。

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